妻が逝って7月で2年、入院して以来庭が放置されている。土いじりが全く苦手である。
冬の間全くモノトーンの庭も、春先からこの時期にかけて、妻が残した思い出が庭のあちこちでこっそり顔を出してくる。
一番好きだったシラネアオイが2輪静かに咲いている。
妻は毎年このシラネアオイが咲くのを、今か今かと待っていた。
いま庭を歩きまわると・・・
クレマティスはカーポートいっぱいに咲き乱れていたが、どういうわけか妻が逝った年みんな枯れてしまった。
今年になって思いがけない場所、裏庭のわずかに陽が当たるフェンスにクレマティスがこっそり咲いているのに気が付いた。
目立たぬところに次々に小さな花たちが咲きだした。
灯台草は意外と繁殖力が強いようだ。
日陰の多い裏庭にはエビネ、
イカリソウなど、日陰にこっそり、つい見落としそうになる。
マイズルソウ、
稚児ユリ、
しのぶ、
スノーフレイク、
妻は特に山野草を育てるのが好きだった。毎年写真を撮っていたが、そのたびに花の名前を聞いていた。自分では全く頭に入らず、そのたびに「しょうがないわね!」という顔をしながらも、教えてくれていた。
キンギョソウ、
ピンクスズラン、
ハナニラ、
スイートピー、
芝桜、
エリゲロン、
オダマキ、
ジキタリス:
庭の中ほどにあるモッコウバラも元気よく咲きだした。
そしてテッセン、
ジャーマンアイリスも。
これからも、しばらくは楽しませてくれそうである。
庭は手入れはしなくても、妻の残した山野草は静かに余生を楽しんでいるかのよう。
手入れされない庭も荒れてきたので、業者に頼んでリフォームしようかと思ったこともあるが、こういう風に思い出の花が咲いてくるので、しばらくは手をつけないことに・・・妻はたくさんの花友達に、花の株分けをしていたので、あちこちで咲いていることだろう。
その友達から声がかかったことがある。「一度見に来てください。思い出の花がたくさん咲いていますよ。」
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