数十年前になるが、初めての海外出張で行ったのがヨーロッパであった。
ドイツで見た世界地図に戸惑った。
それまでに親しんだ世界地図では、
いつも日本が真ん中にあった。
この地図を見ると、日本は東の端、
まさに「
極東」である。
東南アジアの意味もよくわかる。
「中東」、まさに東半分の真ん中に位置する。
この地図で教育を受けていたら、
極東、東南アジア、中東などの意味するところが、
もっと簡単に理解できたはず・・・
カルチャーショックを受けたことを、今でもはっきり思い出す。
その後、いろんな国を廻るたびに、
国民性の違いに面食らうたびに、
そして自分の常識が通じないたびごとに、
この地図を思い浮かべて、冷静さを装ってきた。
日本の常識が通用するわけがない・・・
企業在籍のまま地元の大学で、非常勤講師をしていたが、
いつも挨拶代わりに、この世界地図を紹介した。
「日本の常識は、世界の非常識」
をしゃべるためにである。
相手は工学部の学生、
にである。
・・・